2021年度『高専ワイヤレスIoTコンテスト』採択案件一覧

高専ワイヤレスIoTコンテスト2021 採択審査結果 

全国の高等専門学校の学生を対象に、第5世代移動通信システム(5G)及びワイヤレスIoTの関連技術を活用することによって、地域課題の解決や新たなサービス創出を図るアイデアを公募した「高専ワイヤレスIoTコンテスト2021」において採択した以下の高等専門学校と、技術実証を開始します。

応募件数

35件の応募がありました。(「5G活用部門」10件、「ワイヤレスIoT活用部門」25件)

採択結果

採択した提案は以下の12件です。(「5G活用部門」3件、「ワイヤレスIoT活用部門」9件)

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  1. 提案名 次世代トマト収穫支援ゴーグル with 5G
    代表者 上田 一磨(旭川高専)
    チーム名 旭川トマト研究会5G部局
    応募部門 5G活用部門
    概要 本提案は、国内および国外の野菜の生産において生産額トップを誇るトマト収穫を支援する次世代トマト収穫支援ゴーグル(糖度・酸度・大きさの推定機能、市場価格推定による収穫時期の最適化機能)である。支援ゴーグルが5Gネットワークに接続されることで、ゴーグルから得られる高精細画像を無圧縮でクラウドサーバにアップロードし、AIで解析後、解析結果をゴーグルへリターンさせるまでの一連動作を低遅延で実現可能である。さらに、同じ農場で支援ゴーグルを装着した作業者のデータを高速に同期し、最適な協働作業を実現できる。また、トマト以外の野菜にも適応可能なシステムであり、農業のDX化に大きく貢献できる。
  2. 提案名 5G・IoTを利用したサバゲー配信システム 「サバゲライブ!」
    代表者 内山田 湖太(福井高専)
    チーム名 サバゲライバー
    応募部門 5G活用部門
    概要 「サバゲライブ!」は、5G通信とIoTを使って、日本発祥のスポーツであるサバゲー(サバイバルゲーム)の様子をライブ配信し、視聴者も一緒になって体感ができるようなシステムとなっている。サバゲーで使用する失明防止用ゴーグルに5G対応の端末を搭載し、カメラ、GPS、センサなどの情報をライブ配信をすることで視聴者は各プレイヤーの視点の共有や、プレイヤーのエアガンの振動データを通信して視聴者のコントローラーを振動させることで実際のサバゲーを体感することもできる。このシステムによって、初心者でも気軽にサバゲーを視聴、体感ができ、サバゲーに対するネガティブな意識を払拭し、魅力を伝えることで、必ず地域の活性化につながる。
  3. 提案名 三重ブランド「四日市萬古焼」から和食文化の魅力を発信 ~土鍋から始まる新たな料理ビジネス創出~
    代表者 日下部 洸希(鈴鹿高専)
    チーム名 BANKOYAKI with KOSEN
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 伝統工芸品「四日市萬古焼」は三重県北勢地域の地場産業である。土鍋の国内シェアは、80~90%を占める三重のブランドである。しかし、土鍋の普及率は低下していく傾向である。その理由は、「土鍋の使い方がわからない」「炊飯器でいい」などが挙げられる。それらを解決する方法として、ワイヤレスIoTを用いて誰でも簡単に土鍋で料理できるサービスを提供する。具体的に、土鍋の蒸気の「ピー音」に着目し、音センサを取り付け、炊飯時間や火を止めるタイミングといった土鍋状態を把握する。次に、得られたデータから料理工程の通知・レシピ検索・レシピ共有する料理アプリ(土NAVI)を開発する。ユーザーは、土鍋に安価で簡単にセッティング可能な付属ツールを取り付け、スマートフォンでワイヤレス通信を行い、土鍋料理レシピの開発・蓄積・発信を行う。
  4. 提案名 牡蠣養殖の効率化
    代表者 小山 凌(鳥羽商船高専)
    チーム名 nakakoga-lab
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 現在の牡蠣養殖では、採苗する場所や時期が詳しく把握できず、生育できる牡蠣の量が不安定である。また、牡蠣の餌である植物プランクトンが多くいる深さが分からず、牡蠣の生育に時間がかかることが問題となっている。
    そこで、過去の種見のデータから牡蠣の種苗が多くいる場所や時期を推測し、より多くの種を付着できるようにする。また、クロロフィル量を観測することで、植物プランクトンの量を推定し、牡蠣の生育に最適な深さを指示することで、安定した牡蠣の生産を確保できるようにする。
  5. 提案名 カラス追尾・撃退のためのドローン自動制御システム
    代表者 足立 凜(米子高専)
    チーム名 とっとり梨みまもり隊
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 私たちの住む鳥取県は梨・スイカ・長いもなどの生産が盛んである。一方でカラス等の鳥類による果実や野菜などの食害は、最も大きな農作物被害の一つで深刻な問題となっている。特にカラスは学習能力が高く、空砲や反射材といった既存の対策ではすぐに慣れて効果が持続しない。そこで、この食害を低減するため「深層学習を用いた物体検出」と鳥類威嚇に効果的と考えられる「ドローン」をワイヤレスIOT技術で連動させてカラスを追い払うシステムを開発する。
  6. 提案名 たけのこ自動採掘ロボットと生育データ蓄積による農業継承システム
    代表者 岩本 孝太(呉高専)
    チーム名 Team SAI (Smart Agriculture Inheritance)
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 広島県竹原市の筍生産量は県内で90%を占めており、竹原市ブランド推進活動の特産品である。しかし、数人しかいない筍農家の高齢化は、ノウハウが非常に重要な筍農業において深刻な課題である。そのノウハウとして重要な点は、空気に触れていない新鮮な土中生育筍を採掘して市場価格を高めることであるが、若年層後継者にとって土中筍を見つけること自体困難を極め、さらに重労働を伴う。そこで本申請では土中で生育する筍を我々の開発による地中レーダによって探知し、筍上方の土表面にマーキング、さらに掘り起こし収穫を行うロボットを製作する。またマーキングと同時にロボットに設置したIoT端末によるWebマッピングを通して経年生育状況データを蓄積し、各年の予想収穫範囲特定と適正な竹林管理がノウハウによらず実施できるシステムを開発する。
  7. 提案名 LPWA(LoRa)モジュール搭載2Uキューブサットによる山間および洋上防災データの収集技術実証
    代表者 筒井 巽水(香川高専)
    チーム名 チームKYNA
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 LPWA(LoRa)による通信は、現在、多くのセンサーシステムに活用されている。LPWA(LoRa)は、遠距離見通し内通信を実現する反面、見通し外通信に弱いという問題点を持つ。本提案では、2U(20cm×10cm×10cm)サイズの超小型人工衛星を活用し、「地上ー地上」間ならびに「地上ー洋上」間でのLPWA(LoRa)通信データを上空の超小型人工衛星でも受信し、衛星から430MHz帯のアマチュア無線通信により地上へダウンリンクする通信技術実証を提案する。本技術により見通しが不安定なケース(山間部および洋上を想定)において、上空を通過する衛星による広域データ収集を合わせて実現することにより、通信品質の向上を図る。
  8. 提案名 ライフジャケット着用をインテリジェントキーとするLPWAによる漁船見守りシステム
    代表者 中神 悠太(弓削商船高専)
    チーム名 離島工学推進隊
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 離島には、漁業を一人で楽しむ高齢者が少なくない。海上での死亡事故の多くの原因は海中転落事故であり、そのほとんどがライフジャケットを着用していない。また、海上には携帯電話の不感地域もあり、エンジントラブルや心筋梗塞などの突然の発病においては、迅速な救難救助が必要となる。
    本申請では、漁船にGPS、マイコン、LCD等で構成したLPWA漁船端末を設置する。本端末によって漁船のGPS情報やエンジンの始動状態などをクラウド上のサーバへ転送する。さらに、BLEとマイコンを埋め込んだ救命胴衣によって、着用しなければエンジンが始動できないインテリジェントキー型のライフジャケットを開発する。
  9. 提案名 ローカル5Gを用いた水中構造物の3次元化と海洋環境情報の見える化
    代表者 佐藤 優輝(佐世保高専)
    チーム名 3Diver
    応募部門 5G活用部門
    概要 長崎県は水産業や造船業の盛んな海洋県であり、造船ドックや海洋構造物、養殖生けす等の水中構造物が特に多い地域である。これらの構造物は主に海中にあるため劣化が激しく、その経年劣化状態を追跡して定期的な保守を行う必要がある。そこで、水中ドローンを用いて海中の構造物を多方向から写真撮影し、それらの写真を水中ドローンに接続した水面ブイから5G回線を用いて陸上に伝送し、その画像から海中構造物の3次元モデルを作成する。この3次元モデルをアーカイブ化して海中構造物の経年劣化診断に役立てる。また、取得した水中構造物の映像からAIを用いて錆画像の自動抽出を行い、錆による水中構造物の劣化診断に役立てる。さらに、センサにより温度や塩分濃度等の海中環境情報を把握し、それらを活用する養殖業等を支援する。
  10. 提案名 海中音景解析による浅海域生物モニタリングシステム
    代表者 本山 優翔(佐世保高専)
    チーム名 Iha_labo
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 海洋生物が発する“行動音”をセンシングし、海域の生態系をリアルタイムで把握するシステムを提案する。日本近海に生息するテッポウエビ類やウニ類は威嚇、咀嚼時に音を発することが知られており豊かな海ほど騒々しい。この音を解析し、ワイヤレス通信によってクラウド上に集約することによって広範囲海域における生息数を推定し、海の生態系把握および保全に利用し、長崎県水産業の重要課題である「磯焼け」の解決を目指す。本システムは、海上に設置したブイにマイクを備えたIoTデバイスを取り付け海中の生物音を集音、高速フーリエ変換および特徴抽出によってテッポウエビ類やウニ類を特定し、時間および場所をデータ化する。このデータをLoRa(LPWA)とsakura.io(LTE)を組み合わせたネットワークを通じて収集・解析し、海の豊かさを数値化することによって海の見える化を行う。本技術は磯焼け問題だけでなく将来的には赤潮の超早期予測への展開も検討しており、世界中の水産業の問題を解決する革新的な技術となる。
  11. 提案名 長崎発赤潮発生状況共有サービス
    代表者 菊竹 花音(佐世保高専)
    チーム名 KIKUTAKE FAMILY
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 海水中の赤潮プランクトンの有無の判断は、現在でも公共機関の熟練作業者による目視により行われている。加えて、漁業従事者への通知は、海水採取後半日~1日程度かかっている。そこで、ポータブルタイプのプランクトン画像取得/送信装置を製作し、クラウド上の評価システムにより受信した画像をAI(深層学習)により評価し、その結果をユーザに回答するサービスを提供することで、赤潮プランクトン発生状況を漁業従事者自らが即時に判断でき、赤潮プランクトン発生時の早期対応により被害低減/防止につながる。なお、深刻な赤潮被害が発生している国や地域は多く、広くサービスを提供できると考えられる。一方、データベース化したプランクトン情報を活用し、海水環境や養殖魚の育成環境を数値的に表現できるなど、他サービスへの展開も期待できる。
  12. 提案名 IoTの力で楽しい日本の畜産の未来を提供する~RAKU☆CHIKU
    代表者 菊地 伸吾(都城高専)
    チーム名 Labo.U1
    応募部門 ワイヤレスIoT活用部門
    概要 本校の所在する南九州地方では、近年、畜産業従事者の高齢化が問題となっている。この高齢化の進行には、様々な要因があるが、家族経営の小規模な畜産農家に限ると、他の仕事に比べ休暇が取得しづらいことや、所得が安定しないため、若者が家業を継ぐことを敬遠していることが最も大きな要因となっている。そこで、我々は家畜が食べる飼料の残量に着目し、これを計測し可視化するシステムを構築した。今後は、このシステムで得られたデータから飼料の残量を予測し、自動発注することで畜産農家の負担軽減を図る。また、安定した家畜の生育のため、飼料の残量データと家畜の成長データを組み合わせ、効率的な餌の配分を分析できるようにする。

技術実証概要

5G及びワイヤレスIoTの関連技術を活用することによって、地域の安全・安心や、地域の活性化など、地域社会が抱える課題等を解決し、また、新たなビジネスや公共サービスの創出に繋がるアイデアについて、技術実証を行います。

今後について

主な実証スケジュールは以下のとおりです。

実証期間 2021年7月(研究契約書締結後)~2022年2月末まで
レポート提出 2022年3月中旬ごろ
表彰審査 2022年3月下旬ごろ
成果発表 2022年5月中下旬ごろ
本件に関するお問い合わせ先

株式会社サイバー創研内 (WiCON2021 運営事務局)
担当:佐野/坂下/藤木

E-mail : kosen-iot@cybersoken.com

Tel: 03-3490-3181
〒141-0031東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル 5階