2020年度『高専ワイヤレスIoTコンテスト』採択案件一覧

高専ワイヤレスIoTコンテスト2020 結果

全国の高等専門学校の学生を対象に、第5世代移動通信システム(5G)及びワイヤレスIoTの関連技術を活用することによって、地域課題の解決や新たなサービス創出を図るアイデアを公募した「高専ワイヤレスIoTコンテスト2020」において採択した以下の高等専門学校と、技術実証を開始します。

応募件数

56件の応募がありました。(「5G活用部門」17件、「ワイヤレスIoT活用部門」39件)

採択結果

採択した提案は以下の10件です。(「5G活用部門」2件、「ワイヤレスIoT活用部門」8件)

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  1. 提案名 マルチスペクトルドローンによる水域可視化システム「Third Eye」の提案
    代表者 北山 未羽(小山高専)
    チーム名 ABKT
    応募部門 5G部門
    概要 平成27年の関東・東北豪雨にて栃木県栃木市も浸水などの甚大な被害を受け、令和元年にも台風19号によって河川の決壊など大きな被害を受けた。古い街並みが残る栃木市では過去の経験から進化した水害を予想することは難しい。そこで、定期的な河川の監視と、水害発生時の迅速な被害状況の把握を可能にするために、マルチスペクトルドローンによる水域可視化システム「Third Eye」を提案する。ドローンで撮影した可視光と近赤外のマルチスペクトル画像が、今までの目視では発見できなかった部分や水が溢れだし、決壊へとつながる部分の予測を可視化し、水害発生後には浸水範囲を早期に把握してマップにする事で過去の経験に頼らない水害への対策を実現する。
  2. 提案名 Project TSUBAME ~地域と高齢者をつなぐデバイス~
    代表者 原田そら(木更津高専)
    チーム名 Code for KOSEN@NITKC
    応募部門 IoT部門
    概要 日本は数多くの社会課題を抱えており、私たちの活動舞台である館山市富崎地区でも例外ではない。私たちは、電子ペーパーを用いた「壁掛け型のIoTかわら板」を実現し、高齢化率60%を超える富崎地区で検証することで、高齢化が進む我が国において新たな当たり前となるような、IoT技術を活用した情報の送受信システムの提供を目指す。
  3. 提案名 気温差制御法を用いた防霜ファンに対する電気代軽減の実証試験
    代表者 渡邉 裕斗(沼津高専)
    チーム名 沼津茶をこよなく愛する仲間たち
    応募部門 IoT部門
    概要 沼津市の茶農家は遅霜という気象災害に長年悩んでおり、その対策として防霜ファンの設置が行われているが、必要時のみ稼働する制御が十分できていないため、無駄な稼働時間の電気代が茶農家の負担となっている。これを解決するため、防霜ファンの稼働を上空と地表付近との気温差により制御する方法が、提案開発されている。しかし、この気温差制御法を用いた実際の防霜ファンはまだ普及しておらず、ここで地域の茶農家で実際に利用可能な装置を試作してその有用性を実証する。
    実証には、防霜ファン設置場所の地形や設置密度を考慮し、IoT技術を活用して大量の環境データを取得し装置の駆動も行える安価で利用しやすいシステムを構築する。これにより、防霜ファン製造メーカーに対してファン駆動システム改良定値の提案や、農家に対して電気代節約の見える化サービスの提供を目指し、システムの普及をはかる。
  4. 提案名 白山の自然を守り、白山の魅力を世界に発信するデジタルトランスフォーメーション
    代表者 小蕎 一沙(国際高専)
    チーム名 白山わがふるさと
    応募部門 IoT部門
    概要 250mWLoRaネットワーク構築とデジタルトランスフォーメーションによる白山自然保護、山岳管理を実現する。携帯電話に接続する小型LoRaモジュールを作成し、山小屋間通信、遭難対策通信に活用する。野生動物、高山植物の調査は現在人手で行われている。これをデジタル化、効率化する。野生動物、高山植物の情報収集に定点カメラ、登山者カメラを活用し、収集した画像に画像認識技術を適用、リアルタイムに情報を蓄積する。収集した情報を元に地図上に分布図を作成する。また、リアルタイム映像を5Gを用いて配信し世界中の人に白山の良さを知ってもらい観光客増加を目指す。加えて白山を訪れる人からの写真、コメントなどを自由に登録できるようにし、地図情報とする。写真から植物、動物の名前、情報を提供するサービスを提供する。これにより正確で、豊富な情報を入手できるようになり、白山の野生動物、高山植物の生態系を効率的に調査、管理できる。
  5. 提案名 琵琶湖の生態系保護のための外来魚スマート回収BOXシステム
    代表者 市来原琢也(鈴鹿高専)
    チーム名 Lake Biwaをmake 美化
    応募部門 IoT部門
    概要 琵琶湖では、外来魚が爆発的に繁殖し生態系を破壊し、古来からの在来魚が絶滅に直面している問題がある。生態系を守る方策として、滋賀県は外来魚リリース禁止条例を定め、釣り人が容易に外来魚を駆除できるよう回収ボックスや回収いけすを設置している。しかしながら、回収作業は決められた周期でしか行われず、その間に魚の腐敗が進み有効活用(堆肥にしたり、調理したり)できていない。本提案では、IoTを活用して回収ボックスの中の魚の総重量をリアルタイムで管理するシステムを開発し、作業員の回収作業の効率化を図り、腐敗防止へとつなげる。具体的には、回収ボックスの底に体重測定器(bluetooth通信可)を設置し、収容された魚の総重量を測定・記録する。運用には、釣り人にスマートフォンでの協力をお願いし、サーバへとデータを送信することで、外来魚回収作業員のリアルタイムでの状況確認を可能にする。
  6. 提案名 漁業者と連携したAIを活用した伊勢湾の藻場の可視化・保全
    代表者 髙木 晃太(鳥羽商船高専)
    チーム名 ezaki-lab.IoT
    応募部門 IoT部門
    概要 現在、全国的に漁獲量が減少しており、漁業者の減少以外にも藻場の減少による生態系の崩壊が原因である可能性が高い。そこで、それぞれの相関について検討するために藻場の分布状況を閲覧・分析できるシステムを構築する。 藻場の分布地図を作成するためにドローンおよび水中映像を活用し、自動で藻場を抽出する。また、我々が開発した海洋観測ブイを活用し海況情報と紐付けを行い、さらには漁獲量との関係を分析可能にする。
  7. 提案名 AMラジオ放送波受信埋め込み型センサネットワークによる局所的土壌含水率推定と土砂災害早期予知への応用
    代表者 坂本 雅弥(呉高専)
    チーム名 Neo IoT × NIoT, Kure
    応募部門 IoT部門
    概要 近年、異常気象による集中豪雨によって土砂災害が多発しており、西日本豪雨災害では広範囲にわたって甚大な人的・物的被害を受けたことから土砂災害の早期予知が求められている。我々は土砂災害の要因の一つである土壌含水率に着目し、耐環境性に優れる電磁波を用いた土壌含水率の非接触計測について検討してきた。1MHzのAMラジオ放送波をコイルアンテナで受信することによって降雨による受信強度及び含水率の変化を高感度で計測できることを確認し、検討を進めた。今後は国土交通省への提案を念頭にIoTとAI技術の活用による土砂災害の早期予知の可能性を確認し、そのシステム構築の前段階として学内での確認、その後地域での実験検証を予定している。
  8. 提案名 まっちんブー!
    代表者 渡邊 祥気(北九州高専)
    チーム名 Match&Boo!!
    応募部門 IoT部門
    概要 私たちがフォーカスした地域課題は「人と出会うことを目的とした懇親会や交流会、合コンなどのイベント」で「参加者同士が初対面のコミュニケーションできまずく、満足感が得づらい」現状があるということである。この課題を解決するための「まっちんブー!」は名札型のIoTデバイスで「共通の話題となる運命のキーワード(趣味なら音楽や昆虫採集)を事前にデバイスに登録しておき、同じキーワードを登録している人同士が近づくとブー!と振動する」ものである。また、アプリではなくIoT デバイスにすることでスマホ画面を注視することもなく、同じデバイスを参加者全員でつけることで生まれる連帯感もある。
    コロナウイルスの影響でオンラインイベントという選択肢も普及したため、ローカルイベントを行う”意義”を高める「まっちんブー!」は今後の社会で有効なのではないかと考えている。
  9. 提案名 音で森を見える化―羽音センシングによる害虫防除-
    代表者 道上 竣介(佐世保高専)
    チーム名 iha_labo
    応募部門 IoT部門
    概要 本提案では、”音”をセンシングすることにより、森の生態系を遠隔で見える化(把握)するシステムを提案する。この見える化によって、長崎県内(対馬)の養蜂において問題となっている外来種:ツマアカスズメバチの生態を把握、その巣の位置を特定することで害虫防除を行う。本システムは、森に設置されたIoTデバイスを通じて虫の羽音(飛行音)を集音し高速フーリエ変換を行い、虫固有の羽音を分類することで周囲を飛行する虫を特定する。このデータをLoRaWAN(LPWA)とsakura.io(LTE)を組み合わせたネットワークを通じて収集し解析、森全体の見える化を行う。この技術は、スズメバチ防除だけではなく、生物の飛行音や鳴き声をセンシングすることで、世界中の森の見える化が可能となり、外来種防除や環境保全に大いに役立つシステムとなる。
  10. 提案名 豊かな老後ライフを実現する「なんくるないカー」
    代表者 冷水 晴香(沖縄高専)
    チーム名 沖縄なんくるないさ〜
    応募部門 5G部門
    概要 超高齢化社会の突入に備え、高齢者が心身ともに健やかな生活ができる社会基盤の整備が望まれている。しかし、沖縄には電車が無く高齢者の外出が難しい。また、片親が多く家族の介護への参加が難しいという2つの課題がある。そこで、介護経験が少ない家族でもプロの介護士に頼らず、沖縄のオジィ・オバァと一緒に出かけられる、人に優しい次世代車いす(名称:なんくるないカー)を開発する。なんくるないカーは、最新の自動運転機能を有しながらも、家族とのコミュニケーションがしやすいフォーメーション運転や、車いすに乗りながら琉球民謡の振り付けを再現するダンシング機能や、長距離の移動や整備が行き届いていない沖縄のデコボコ道路でも快適な乗りごごちをサポートする機能を実現する。私達は、なんくるないカーの開発と普及を通じて、沖縄のオジィ・オバァの笑顔をもっともっとみたいし、家族みんなを元気にしたいと考えている。

技術実証概要

5G及びワイヤレスIoTの関連技術を活用することによって、地域の安全・安心や、地域の活性化など、地域社会が抱える課題等を解決し、また、新たなビジネスや公共サービスの創出に繋がるアイデアについて、技術実証を行います。

今後について

主な実証スケジュールは以下のとおりです。

実証期間 2020年8月~2021年2月まで
レポート作成 2021年3月中旬
成果発表 2021年5月
本件に関するお問い合わせ先

株式会社サイバー創研 (WiCON2020 運営事務局)
担当:佐野、旭、飯塚

E-mail : kosen-iot@cybersoken.com

Tel: 03-3490-3181
〒141-0031東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル 5階